地域活動紹介

2012年度
3月12日
エネフィーメール21
3月11日
陸別くらし塾
2月8日
つわぶき友の会
12月14日
エネルギー問題を考える会
12月11・12日
くらしとエネルギーを考える西日本女性ネットワーク会議
12月7日
にいはまエネルギー・環境クラブ
12月5日
NPO法人WARP-LEE NET
12月1日
石川エネの会
11月28日
おまえざきエネの会、Ene☆EcoWing(エネコウイング)
11月15日
福井県女性エネの会
11月14日
NPO法人WARP-LEE NET
11月2日
山口エナジー探偵団
10月31日
中部エナジー探検隊
10月30日
エネルギー問題を考える会
10月15日
えひめ消費者生活センター友の会
9月25日
新潟大学工学部化学
システム工学科
9月14日
Ene☆EcoWing(エネコウイング)
9月9日
えひめエネルギーの会
9月8日
松江エネルギー研究会
9月1日
くらしをみつめる…柏桃の輪
7月31日
NPO法人WARP-LEE NET
7月17日
フレンズQクラブ
(Qクラブ同窓会)
7月10日
くらしをみつめる…柏桃の輪
6月24日
新潟県婦人連盟
6月2日
環境とエネルギーを考える
とやま女性の会
5月28日
中部エナジー探検隊・
NPO法人五十鈴塾
5月20・21日
NPO法人
あすかエネルギーフォーラム
5月11日
平成24年度 メンバー会議

エネルギー問題を考える会

《日 時》
2012年10月30日(火)18:30~20:30
《会 場》
新宿消費生活センター分館(新宿区高田馬場1-32-10)
《テーマ》
「精神論ぬきのエネルギー政策~私たちのくらしへの影響を考える」
資源に乏しく、エネルギー自給率が低い日本にとって、エネルギー問題は社会やくらしにさまざまな影響を及ぼす最重要課題です。消費者一人ひとりが現実的かつ具体的なエネルギー政策を考えるために、エネルギー問題を考える学習会において、澤 昭裕氏(21世紀政策研究所研究主幹/ NPO法人国際環境経済研究所所長)をお招きし、お話を伺いました。

「いま、何を議論すべきなのか~エネルギー政策と温暖化政策の再検討」目的の再認識から始まるエネルギー政策の見直し

エネルギー政策における電源選択において、原子力発電に対する反対/賛成という二極論的な議論や、反原発=再生可能エネルギー推進と結びつける発想は、論点が少しずれていると思います。現在の世論は反・脱原発派が主流を占めているように見えますが、長期的には原発ゼロを目指してほしいけれど、すぐに廃止するのは不可能であり、すべきではないと考えている人、つまり原発推進派とレッテルを貼られることを危惧し発言しないだけのサイレントマジョリティの存在は大きいはずです。

水力、石炭火力の時代を経て、1973年のオイルショック時には石油火力発電が70%以上を占めていたために、石油が輸入できなくなると電力不足が起こるということから世の中がパニックに陥りました。以降は石油依存から天然ガスや原子力などへの分散化の方針が取られてきました。原子力発電については、1960年代から国と電力会社の双方が推進させていき、順調に発電所が増加してきたものの、資料改ざんや建設予定地との交渉問題などもあり、90年代後半からは増設があまり進まずに電源シェア率30%を維持していたところへ、福島の事故が起こったわけです。

約30年かけて30%超のシェアを占めるまでに至った原子力発電のように、電源開発と大量供給までにはかなり時間がかかります。脱原発を進めるということは、現在、停止している原子力発電が全体の発電量に占めている30%分の電力の補填が問題になります。世論では再生可能エネルギー推進には賛成と言っても、風力や太陽光の巨大設備を自分の居住地域に建設することを手放しで喜ぶわけではないので、一挙に施設増加を進めるのは難しいと思います。

エネルギー政策を見直す時に最初によく考えなければならないのは、3つの目的 ── 1.エネルギーの量的確保 2.経済性 3.環境性です。これまで石油、天然ガス、原子力などの電源をミックスして安定した質と量の電力が供給されてきましたが、1997年、先進国の温室効果ガス削減目標を取り決めた京都議定書以後、特に、エネルギー政策に環境問題が影響するようになりました。さらに、2020年までに温室効果ガス排出25%削減(90年比)という2009年当時の鳩山首相発言が国際的な約束になったため、2010年のエネルギー基本計画では、再生可能エネルギー導入拡大や化石燃料の高度利用などとともに、原子力発電の推進・稼働率向上も目標として掲げられていました。しかし震災後、原子力の代わりに石油やLNGが増加したため、CO2排出は増加しています。

電源オプションで社会はどう変化していくか

今後のエネルギー政策を考えていく上で、原子力発電への依存を低下させる政策に転換するなら、原子力の代替として2つのオプション ── 再生可能エネルギーと火力があります。原子力発電所の停止による代替即戦力となっている火力発電でも、これまでは量的にも経済的にもある程度の安定が保たれていましたが、CO2排出量が増えてしまうという問題と、燃料費が増加するという問題があります。昨年は原発停止前の燃料費に比べ、年間約3兆円以上増加(電気料金の約2割に相当)になり、海外情勢の緊迫などで原油が高騰すれば、さらなる増加は避けられず、料金値上げの要因にもなるわけです。

一方、再生可能エネルギーはCO2排出量が少ないが、発電コストも高く、安定した電力供給の見込みは困難であり、経済性とエネルギーの量的確保が大きな問題となります。

さらに、7月に再生可能エネルギー固定価格買取制度が導入されました。再生可能エネルギーに関しては、量産効果でコストが下がるのでは?と期待されていますが、この制度においては、事業者に対しての買取価格が下がっていくものの、どの買取価格の段階で入ってきた者も、同じ買取価格で20年に亘る長期間買取が確約されているので、設備の導入が進むことで、消費者の負担額としては急増する仕組みになっています。現に再生可能エネルギー買取の需要家負担が急増したドイツでは、消費者の反発が高まり、特に太陽光の買取価格の急減など同制度の見直しと一定設備量が導入された後の廃止が決まっています。日本でも早急に廃止するべきです。更に、風力発電や太陽光発電に関しては、風や天候次第で変動する不安定電源であることから、バックアップ電源のためのコストを誰がどのように負担するかも大きな課題です。

自由化による電力産業の革新と問題点

今後、電力自由化が進む場合、電力産業全体の再編が起こります。既存および新規事業者に求められることは、資金や技術力、人材などの安定供給責任能力や、今回の福島の事故のような危機に対応できる情報収集網や供給回復に向けた組織力です。幸いなことに、これまでは大事故が起きなかったために危機管理体制が甘くなっていた既存の各電力会社には、かつてリスクの大きい原子力発電に大きく舵を取っていった、原子力発電創成期のトップたちのパイオニア精神に立ち返って、再出発していただきたいと考えます。

東京電力は、柏崎刈羽原子力発電所が来年以降も稼働しない場合の火力発電増による燃料コスト上昇のみならず、福島第一の廃炉費用、広範囲な除染費用や被害者への賠償金といった重責があります。原子力損害賠償法によると、電力会社は事故の無限責任を負い、国は一切の連帯保証をしないことになっています。しかし経営破綻で賠償金支払い不能に陥らないよう、現在、一時的に国有化し賠償金分の貸与をしています。これはいずれ税金又は電気料金で賄うことが必要になります。

一方原発の安全基準に関しては、電力各社がこれまでの考え方を捨てて、国の基準は最低ラインと見なし自ら基準を設けて安全対策を行うようになれば、各社が安全を競い合うというメリットも出てくると思います。資源のない日本では、原子力による発電は必要ではありますが、このまま電力自由化だけが進み、競争が激しくなる中、原子力発電の安全性を確保するための十分な投資や人材育成が行えるかなど、今後ますます難しい問題となってきます。

また、特に東京電力は、賠償金支払いや町の再生プラン支援とともに、子どものいる母親や子どもたち自身に向けて正確な情報や教育を提供し、放射線ストレス緩和をはかるなどのソフト面の手厚いケアによって、地域に密接なエネルギー企業として生まれ変わる必要があると思います。

澤 昭裕 (さわ あきひろ)氏 プロフィール

21世紀政策研究所研究主幹/ NPO法人国際環境経済研究所所長
1981年一橋大学経済学部卒業・通商産業省入省。1987年行政学修士(プリンストン大学)、1997年工業技術院人事課長、2001年環境政策課長、2003年資源エネルギー庁資源燃料部政策課長。2004 年8月~ 2008 年7月東京大学先端科学技術研究センター教授。2007年5月より現職。著書に『地球温暖化問題の再検証』(東洋経済新報社)、『エコ亡国論』(新潮新書)、『精神論ぬきの電力入門』(新潮新書)、21世紀政策研究所の提言書として『難航する地球温暖化国際交渉の打開に向けて』、『温室効果ガス1990年比25%削減の経済影響 ~地域経済・所得分配への影響分析~』など多数

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