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えひめエネルギーの会

《日 時》
2022年10月15日(土)14:40〜16:40
《会 場》
ANAクラウンプラザホテル松山(愛媛県松山市一番町3-2-1)
《テーマ》
記録的な猛暑・大雨が続く日本 気候変動の予測と備え

私たちが日常生活で行動する際の目安にしている天気予報は、台風など災害をもたらすような天気が近づいている時にも、とても役立っています。近年、増え続けている異常気象の原因や、防災のために知っておくこと、備えることなどを、蓬莱大介氏(気象予報士・防災士・健康気象アドバイザー)に伺いました。

講演
「記録的な猛暑・大雨が続く日本  気候変動の予測と備え」


天気を予測する仕組みとは

天気予報はどのように予想しているのか、まずその仕組みをご説明します。1つ目は、地球の自転と同じ周期で24時間地球の周りを回っている気象衛星ひまわりが、宇宙から日本の近くの雲を観測しています。2つ目の雨雲レーダーは、地上から空に向かって電波を飛ばし、上空に雨粒があると跳ね返って戻ってくるので、電波が戻ってくる時間で雨粒までの距離、戻ってきた電波の強さから雨の強さを観測しています。3つ目の気象観測器ラジオゾンデは、気温、湿度、風向、風速などを測定するセンサを搭載した気球を全国16カ所から午前9時と午後9時に一斉に飛ばして、高層大気のデータを取得しています。日本のみならず世界各地で同時刻に観測しているため、データをやりとりし合うことで、世界中の天気予報に役立っています。

また地上では気温や降水量、風向・風速などを自動で観測するアメダスのデータが気象庁に集められています。このアメダスは、全国で条件を等しくするため芝生の地面の上に設置されています。アスファルトの上で測ってしまうと、真夏はアスファルトの照り返しなどで7°Cくらい温度が高くなってしまい正確に観測することができません。集められた観測データをスーパーコンピュータ「富岳」で解析すると、今の大気の状況がどこにどのように移動するかが予測できるのです。気象庁の天気予報の発表は、午前5時、午前11時、午後5時と、1日3回に決まっていますが、台風など緊急時には1時間に1回情報が更新されています。

気象庁から届く観測データは同一ですが、情報の伝え方は気象予報士により微妙に違っています。皆さんの中には、天気予報はあまり当たらないと感じている方もいると思います。昔より精度は格段に上がっていますが、より詳細に雨が降り出す時間まで伝えるようになったため、予想のズレが生じていますし、週間予報ほど誤差が生じています。そして近年では、例えば24時間の雨量を200ミリと予測していたのに、それが3時間で降ってしまうような局地的な集中豪雨など、コンピュータの計算を上回る現象が頻繁に起きています。気象予報士にとって、できればもう少し時間をかけてたくさんの情報を丁寧に解説する天気予報ができれば、予想のブレも緩和されると思っています。 


地球温暖化を軽減しないと今後も増加する異常気象

最近の天気はおかしいと感じていらっしゃる方が多いと思いますが、日本のみならず、地球規模でかつてより頻繁に大雨、干ばつ、猛暑などが起こっています。今年、パキスタンでは国土の1/3が浸水し、国民の7人に1人が被害を受けました。原因は6月から長く降り続いた大雨と、さらに猛暑で山の氷河が溶けた洪水です。またイギリスでは通常の夏には30℃に届かないのに40℃を超え、ヨーロッパでは猛暑が続いたせいで熱中症で亡くなる人も多く、過去500年で最悪の干ばつにもなりました。日本でも6月から40℃超えの猛暑を記録し、一方東北や北陸では大雨が続き、8月には山形県の最上川の氾濫で大きな被害が出ました。9月の台風14号は九州で特別警報が発表され、数十年に一度のレベルと言われる非常に強い勢力の台風でした。

しかし、地球の歴史では、これまでにも極端に暑い年、寒い年、そして大雨や干ばつの年もありました。自然現象はゆらぎのイメージでとらえることができます。とはいえ近年の日本は、極端な天気が頻繁に起きており、「50年に一度の大雨」が日本のどこかで毎年起きています。ということはやはり今の天候は厳しくなっていると思います。ただし地球温暖化が全ての原因とは言い切れません。日本の上空を流れる偏西風の蛇行や、太陽の活動、海面の水温の変化など地球そのものの変化が気候に大きくかかわっているからです。

地球温暖化について科学的な研究を行う国際的な専門家が集まるIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、30年以上前から、このまま気温の上昇が止まらないと雨量が増え、勢力の強い台風発生の頻度が増えると言ってきましたが、今ではそれが現実的になっており、気候の極端な現象はやはり人間の出した温室効果ガスによる影響がないと説明できないと言っています。世界の平均気温は産業革命が始まった170年前と比べると1.09℃上昇しており、過去の古文書などを参照に2000年前から現在までをスーパーコンピュータで計算すると、前例のないペースで上昇しています。今の地球に起こっている状態は、人に例えると微熱症状ですが、今後気温が上昇し続ければ高熱状態になり、将来は社会が維持できなくなるかもしれません。


1850~1900年に対する世界平均気温の変化 グラフ


地球温暖化の人的原因と言われているCO2などの温室効果ガスは、もともと生物や植物が地球で生存するために不可欠なものです。しかしこの170年の間に、人類は石炭、石油、天然ガスを使った強力なエネルギーにより急激な発展を遂げ、しかも世界の人口は100年間で一気に4倍に増加したため、エネルギー使用量も増え、また森林を伐採して住居や農耕地にしていったのです。化石燃料燃焼時の排煙に含まれるCO2の増加と大気中のCO2を吸ってO2を出す光合成を行う森林の伐採がCO2増加の原因になりました。

IPCCによると、今から対策を取っても、今後数十年は地球温暖化が進行し、さらに気候の極端現象は、頻度・強度が増加する恐れがあるとしています。ただし2050年以降は今からの対策次第で変えることもできると言っています。だからこそ、21世紀末までに産業革命以来の気温上昇を2℃未満に(できれば1.5℃に)抑えるため、世界は今、化石燃料に頼らず脱炭素に取り組もうとしているのです。

しかしエネルギー資源がなく、90%近くを輸入に頼っている日本の場合、現在エネルギー資源高と円安に苦しんでおり、かといってCO2を出さない再エネを促進したくても、太陽光発電の場合、梅雨時のように曇りの日には発電量が減ってしまいますし、冬季の積雪の日には発電することができません。風力に関しても洋上風力のための遠浅の海が少なく、風向きは季節によって変わるなど自然条件の制約があります。政府の目指す2030年のエネルギーミックスでは、現在8割を占めている火力発電を4割程度に抑え、再エネを主電源化に向けて4割弱に増やし、不足分の約2割を原子力で賄おうとしています。私たちが身近でできる地球温暖化対策としては、節電やゴミ、プラスチック使用の削減などの「緩和策」と同時に、極端な現象に備える防災対策や変わりゆく気候に合わせる「適応策」も同時に必要です。 


覚えておきたい防災の基本

日本では1975年から今まで、全国の1時間降水量50ミリ以上の年間発生回数は増加しており、また1日の200 ミリ以上降水量(土砂災害発生目安)の全国発生回数は、1976〜85年の10年間と比べて2011〜20年には1.7倍に増加しています。2018年には平成最悪の豪雨被害が西日本で起きました。原因は、記録的な大雨が同じ狭い場所に長時間降り続ける線状降水帯で、今ではコンピュータの最新技術で発生しそうな場所を予測できるまでにはなっていますが、予測は完璧とは言えません。だから予想が出ても必ず発生するわけではありませんが、発生するリスクを考えて早めの備えはしておいた方がいいでしょう。


1日で200ミリ以上(土砂災害発生目安)の全国発生回数 グラフ


またテレビなどで発表されている防災情報の基本をぜひ覚えてほしいと思います。過去の災害を参考にして市町村ごとに基準が決まっており、注意報は16種類、警報は7種類あります。災害に関しては、注意報警報土砂災害警戒情報特別警報の4段階があります。警報は雨が土の中にどのくらい含まれているかを計算し、過去データと照合して、災害が起こるリスクがある時に発令されます。土砂災害警戒情報は、いつ土砂崩れが起きて死者が出るかもしれないような状況で出されます。そして特別警報は、「命を守る行動を取ってください」とニュースで呼びかけているように、避難所に向かうこともできないほどのレベルの時に発令されます。特別警報ではないから大丈夫と思わないで、警報の段階から災害モードに頭を切り替えて、スマホなどを使って雨雲レーダーや川の防災情報の確認をしていただきたいです。


警報のランク


大雨情報の雨量のイメージを理解しておくと、災害が起きる可能性があるかどうかもわかりやすいです。「1時間に50ミリ」というのは、外が真っ白になるほどで道路が冠水する非常に激しい雨です。「24時間に200ミリ」になると、土砂災害が発生する目安です。また風速についても、最大瞬間風速20メートルで転倒する人が出たり看板やトタン板が外れたりし、30mになると何かにつかまらないと立っていられなくなります。台風の勢力が弱くても大雨や強風になる可能性もあるので十分注意してください。災害時に人は、自分だけは大丈夫という正常性バイアス、みんなが大丈夫だから自分も大丈夫という集団性バイアス、そして今まで大丈夫だったから今回も大丈夫だろうという経験性バイアスにかかりやすくなります。防災意識を実際の行動に移せるように、普段から自治体で配られている防災マップを見てどこで川の氾濫や崖崩れのリスクがあるのか確認しておき、また食料、水や非常用トイレセット、電池で充電できるモバイルバッテリーを用意しておくことも必要です。そしていざという時に何より大切なのは、無理な行動はせず、「念のため」と心につぶやいて自然に対する謙虚な気持ちを忘れず行動することだと思います。




蓬莱 大介氏(ほうらい だいすけ)氏プロフィール

気象予報士・防災士・健康気象アドバイザー
1982年兵庫県明石市生まれ。2006年早稲田大学政治経済学部卒業。09年第32回気象予報士試験に合格。10年より当時読売テレビで気象キャスターをしていた小谷純久(よしひさ)氏に師事し、11年より読売テレビ気象キャスターに就任。担当番組「かんさい情報ネットten.」「情報ライブミヤネ屋(全国ネット)」「ウェークアップ!(全国ネット)」「そこまで言って委員会」など。あすの天気をイラストで伝える「スケッチ予報」や司会者との掛け合いで幅広い層から支持を得ている。書籍「空がおしえてくれること(幻冬舎)」、読売新聞コラム「空を見上げて」。2023年イラストカレンダー、グッズなども販売中。


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