私はこう思う!

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放射線ってなぁに

大竹 由紀子氏 yukiko ootake
総務省行政相談委員

6年ほど前「放射線ってなぁに」というテーマで、暮らしの中の放射線を考える勉強会を企画した。きっかけは、東京銀座4丁目の歩道から自然放射線が出ている事実からだった。
では中部地方ではどうなのかとETT中部地区のメンバーが、文科省から「はかるくん」を借り、実際に身の回りを計り歩きその測定値表を作った。自宅玄関、台所、二階等「我が家の放射線」から推測した1年間の放射線量は約0.76ミリシーベルト/年。日本の平均値に近かった。ホウレンソウ、昆布も測定した。殺菌などで医学的にもその恩恵に浴しているのに、目に見えないために「知らなかった!」という人が意外に多かった。
「放射線をあてられたジャガイモは食べていいの?」と質問されたことを思い出す。

でも、心が折れてしまったあの福島の事故以来、放射線についての国民の関心や認識度は違ってきた。自分の身に火の粉が降りかかって初めて、目に見えないものの正体を知りたくなってくる。福島に暮らす若い女性たちが「放射線の勉強会」を立ち上げたと聞く。情報に惑わされることなく正確な判断がされ、新しい命が誕生する場面が増えてほしい。

私は、伝聞より自分の目や耳で見たり聞いたりして確認したいので、放射線講座によく参加しているが、その聴衆にはなぜか男性の姿が目立つ。命に向き合うことの多い女性たちこそ、聞いたほうがいいように思うのだが。

また、ここ数か月で、敦賀や浜岡、柏崎刈羽原子力発電所の防波壁建設現場を見学する機会を得た。再稼働できるかどうか未定の中で、憶測を呼びながらも発電所の改修、維持管理を粛々と進めている担当者の姿に敬意すら感じた。

そんな折、身近に考えるようになった放射線のことを小さな子供にどう伝えていったらいいのか考えていたら、「ほうしゃのうが降(ふ)ってきたの」(くまがいこうぞう作)という5歳の幼児と大人の対話の絵本が送られてきた。孫にさっそく読み聞かせてみたら、喜んで聴いてくれた。足元から、未来ある次世代に正確な情報を伝えてあげたいとしみじみ思う。

(2013 年3 月末)

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