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第11回オンライン勉強会

《日 時》
2023年8月25日(金)14:00〜15:25

ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した世界的なエネルギーセキュリティの不安定化、脆弱性が顕在化する一方、地球規模で2050年カーボンニュートラルへの取り組みの加速が求められるといった、極めてチャレンジングで難解な課題が突き付けられています。第11回オンライン勉強会では、都市ガス分野における脱炭素化に向けた取り組みの現状や課題について、奥田篤氏(一般社団法人日本ガス協会 カーボンニュートラル推進センター長)による講演と質疑応答を行いました。

講演
都市ガスのカーボンニュートラル化に向けた取り組み

水素+CO2=都市ガス原料「e-methane(e-メタン)」の社会実装へ

都市ガスは193事業者により国土の6%弱に供給され、家庭用件数はLPガスとほぼ同規模、電力の約半分の約2,652万件です。販売量の内訳は、57.6%が工業用、25.4%が家庭用、17.0%が商業用となっています。都市ガス事業は約150年前の1872年に開始され、1960年代の原料構成の約半分は石炭系・石油系でしたが、1970年代以降は低炭素・高カロリーな天然ガスへと原料を転換し、2015年時点ではLNGなど天然ガス系が97.1%を占めています。天然ガスはほかの化石燃料(石炭・石油)と比べてCO2などの排出量が少ない、環境性に優れた燃料であり、世界各国の調達先から安定供給できるため、3E+Sをバランスよく満たす特性があります。また、コージェネレーションなどの高度利用により、さらなる環境適合性と経済効率性の実現が可能となります。一方、ガス導管は地中に埋まっているため台風などの災害に強いと言われますが、耐震性の高いポリエチレン導管への交換や、早期復旧に資する供給エリアのブロック化など、災害対策の取り組みも進めています。

2020年10月、菅元総理が「カーボンニュートラル宣言」を行い、国内の温室効果ガスの排出を2050年までに「実質ゼロ」とする方針を示しました。この方針を受け、ガス業界においても低・脱炭素化実現に向けた計画・戦略を策定し、「2050年のガスのカーボンニュートラル化の実現」を目指す宣言をしました。キーとなるのが、以前は合成メタンと呼んでいた「e-methane(e-メタン)」で、2022年、日本ガス協会は合成メタンの国際的な認知度向上を目的として「e-methane」の呼称に統一しました。ロゴマークも作成し、広く情報発信を図るとともに、社会実装・普及拡大に取り組んでいます。


e-methane(CH4)は、工場や発電所などから大気に放出されるはずだったCO2(または大気中にあるCO2)を回収・リサイクルして再生可能エネルギーから生まれた水素(H2)と合成する、「メタネーション」技術によってつくるメタンのことです。e-methaneも燃焼するとCO2を排出しますが、原料のCO2と相殺され、結果的に排出量がプラスマイナスゼロになり、水素同様にエネルギーの脱炭素化に資する燃料となります。



e-methane が果たす役割は大きく2つあります。1つは、日本の民生・産業部門の約6割を占める「熱需要の脱炭素化」に貢献することです。もう1つは「社会コストを抑制した脱炭素化」で、e-methaneは都市ガスや天然ガスの成分と基本的に同じであるため、既存のガス供給インフラ(LNG基地、LNG船、ガス導管)や利用設備(コンロやファンヒーターなどのガス機器)がそのまま有効活用できます。

【脱炭素化実現に向けたガス業界の取り組みの道筋】
〈現時点〉
天然ガス転換やカーボンニュートラルLNG*の導入により、需要家の低・脱炭素化に貢献。
*天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスをCO2クレジットで相殺(カーボン・オフセット)することにより、天然ガスを使用してもCO2が発生しないと見なされるLNG。

Action1:2030年NDC(国が決定する貢献)達成への貢献
Action2:メタネーション実装への挑戦
Action3:水素直接供給への挑戦

〈2030年 トランジション期〉
ガスのカーボンニュートラル化率5%以上を実現。メタネーションの実用化を図る(e-methaneの都市ガス導管への注入1%以上)。

〈2050年 カーボンニュートラル〉
複数の手段を活用し、ガスのカーボンニュートラル化の実現を目指す(e-methane90%、水素直接利用5%、バイオガスその他脱炭素化の手立て5%)。


e-methane普及拡大はエネルギー政策にも位置付けられている

e-methaneはグリーン成長戦略(2021年6月)や第6次エネルギー基本計画(2021年10月)からエネルギー政策の中に位置付けられました。GX実行会議(2022年12月)にもe-methane普及拡大に向けたロードマップが示され、政府支援としてGX経済移行債(20兆円)の使途の1つとされています。また、先日開かれたガス事業制度検討ワーキンググループ(2023年6月)においても、天然ガスを合成メタン(e-methane)、バイオメタン、水素に置き換えて都市ガスのカーボンニュートラル化を実現する道筋が改めて示されました。e-methaneは海外でも注目されており、アメリカでは2050年にはガスの約3割をe-methaneで供給、ヨーロッパでも低炭素ガス(e-methaneなど)への移行を目指すと発表され、フランスガス協会と日本ガス協会は連携に関する覚書を締結したところです。


e-methane社会実装に向けた4つの課題とは

①【技術開発】
研究開発から実証・商用化までの継続的な技術開発支援

メタネーションの手法には水素とCO2を合成する既往技術に加え、水素の代わりに水を使って効率よくe-methaneをつくる革新技術があります。革新メタネーションの機器はまだないため、グリーンイノベーション基金を活用しながら東京ガスと大阪ガスが技術開発実証を実施中であり、2040年代の実用化を目指しています。また、ガス事業者によるe-methane実装に向けた取り組みも進めています。2030年e-methane導入を見据え、既存のLNGサプライチェーンが活用できる地域(北米、南米、オーストラリア、東南アジア、中東など)で大規模な海外商用プラントも検討中で、再生可能エネルギーに適した海外でe-methaneを製造し、現地のLNG基地で液化し、日本へ輸送するサプライチェーン構築の事業可能性調査も本格化しています。アメリカ中西部ではさらにクリーンなバイオマス由来のCO2とブルー水素を原料とするe-methane製造プロジェクトの検討に着手するなど、世界中からe-methane製造の適地と、港のLNG基地を探している最中です。

②【商用化支援】
製造コスト・供給価格とLNG輸入価格との価格差に留意した導入促進策

2023年現在の技術では、都市ガス原料のLNG価格が約50円/N㎥に対し、e-methane価格は約250円/N㎥と高額になる試算ですが、e-methane1%導入予定の2030年には約120円/N㎥、90%導入予定の2050年にはLNG価格同等の約50円/N㎥を目指しています。e-methane導入促進のためにはLNG価格との差額を補塡する支援措置が必要です。さらにe-methaneの製造コストはおおむねを水素製造に関わる電力コストが占めているため、「電力コストが最小化となる水素製造適地の選定」や、e-methaneの製造技術進展と大規模化などによる「製造コストの低減」を図る必要もあります。

③【CO2ルール】
国際・国内におけるCO2カウント方法(ゼロエミ価値)の確立および関連ルールへの反映

e-methaneは発電所などの排ガスや大気中に元々存在していたCO2を原料とするため、燃焼してCO2を排出しても「大気中のCO2は増加しない」と言えますが、e-methane製造国と利用国との2国間でCO2排出量のカウントルールの整備が必要です。例えばアメリカでCO2を回収して水素と合成したe-methaneを日本で利用(燃焼)してCO2を排出する場合、アメリカは自国の排出としてCO2を「計上する」、日本の排出としては「計上しない」というように、e-methane普及拡大のためには「利用側が環境価値を享受できるスキーム」が望ましく、普遍的な国際ルールへ展開できるよう、国と連携をしながら交渉を進めています。G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合(2023年4月)でも会合に先駆けて提案書を提出し、公式声明で国際的なCO2カウントルール整備の重要性が明記されました。


■理想的なCO2カウントルール

④【証書化】
ゼロエミ価値の顕在化(証書化)と取引の仕組みの導入

e-methaneはメタンと成分が基本的に同じなので、証明が必要です。世界にもまだなく、日本主導で「クリーンガス証書(仮称)」と取引の仕組みをつくろうとしています。

以上ご説明したe-methaneのほか、都市ガスのカーボンニュートラル化に向けては、水素直接供給の取り組みの推進(HARUMI FLAG:東京ガス)、カーボンニュートラルLNGやバイオガス(鹿児島市新南部清掃工場:日本ガス)の普及促進などにも努めています。





質疑応答

Q:e-methaneの利用はカーボンニュートラルの実現に不可欠だと思うが、CO2カウントルールづくりが何より重要な気がする。最近のCOPの動きを見ると政治的要素をからめて途上国の主張が大きくなっているが、状況はどうなっているのか?
A
:ヨーロッパはCO2規制に対して厳しく、アメリカはCO2削減に50兆円を投じて経済を盛り上げようとしているなど、国によってCO2の扱い方が違う。近年は途上国においてもCO2規制の気運が高まり、交渉が厳しくなったと個社から聞いている。環境価値をいただく代わりに代金を払うのか、その国のエネルギー開発に我々が寄与するのかなど、環境省にはまず企業間でCO2カウントの話をつけてほしいと言われており、その実証を積み上げた後に国家間の交渉を2〜3年のうちにやろうという話をしている。最終的にはパリ協定やICPPなどの国際機関のルールに落とし込んでいくことになるが、かなりハードルは高く、5年、10年はかかるだろう。2030年e-methane導入を考えると、まずはどちらの企業あるいは国にCO2をカウントするかという交渉を早く始められればと思っている。

Q:課題にもあったが、e-methaneコストの今後の見通しについて伺いたい。現在は約250円/N㎥と高いが、2050年には約50円/N㎥になるのか?
A
:水を分解して水素をつくるコストが高い。より安く調達できる水素製造適地の開発と、メタネーションの設備や水素製造の技術開発を進め、2050年には現在の都市ガスと同様の価格にしようと詰めているところで、これは国からの要望でもある。

Q:原料となる水素は輸入に頼るしかない?
A:水素を製造するためには、太陽光や風力など大量の再生可能エネルギーが必要になる。都市ガスをe-methaneに全部置き換えようとすると、国内では大量の水素を賄うための再生可能エネルギーが確保できないので、海外でe-methaneを製造して、日本に輸入しようとしている。


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